私たちは、お金があれば幸せになれるのでしょうか?
実は最近の研究では「お金があっても幸せとは限らない」ことが明らかになってきたのです。人が幸せであるかどうかは、お金の影響をもちろん受けますが、それよりも、健康状態、就業状態、家族との関係性、などのお金以外のことに大きく影響を受けるようです。
最近の研究結果
各国の大学や研究機関が、所得と幸福度の関係についての研究結果を発表しています。おおむね一致している見解としては、「所得が多いほど幸福感も増えるが、一定の金額を超えると幸福感は伸び悩む」といったことです。アメリカでは年収7万5千ドルを超えると幸福度は上がらないといった研究結果(米プリンストン大学の心理学者、ダニエル・カーネマン教授)もあります。
また、不思議なことに、同じ国の中では所得と幸福感には正の関係がありますが、異なる国どうしを比較すると国の所得水準と幸福感に相関はみられなかったそうです(リチャード・イースタリンの、幸福のパラドックス)。例えば、日本の所得水準はブータンの所得水準より高いけど、日本はブータンより幸福度が低いのです。
「所得が増えれば幸福感もある程度は増える」のは事実ですが、最近の研究では、所得以外の要因のほうが幸福度に影響を与えることがわかってきています。所得以外の要因としては、就業状況、健康状態、婚姻状態、性別が幸福度に影響を及ぼします。
つまり、
・無職より働いていたほうが幸せ
・健康状態が良いほうが幸せ
・結婚していたほうが幸せ
・男性より女性のほうが幸せ
ということのようです。
もちろん例外もありますので、喧嘩ばかりしている夫婦よりは、平和に暮らしている独身者のほうが幸せといった人がいることは十分にあります。
また、喫煙の習慣がある人ほど幸福感は低く、女性より男性のほうが喫煙習慣があります。その結果、男性より女性のほうが幸福感が高いのではないか?といった指摘もあります。
「幸せ」の源泉
・健康状態
家族の健康状態は、生活の満足度に大きな影響を及ぼします。当然、不健康であるほど満足度が低下して幸福度が下がる傾向にあります。糖尿病や癌などの苦痛を伴う病気になってしまうと、幸福度が一貫して低くなり、骨折や打撲など一時的な怪我の場合は、一時的には幸福度が下がりますが怪我の回復とともに幸福度も回復します。
幸せになりたい!そう願うのであれば、病気の予防に気を遣うようにしましょう。
・家族との良好な関係
人間関係が良好で、他人から信頼されている人ほど幸せになります。
・将来の明るい展望
幸福度を過去、現在、未来と時系列で分析した研究者がいます(2011年:Durayappah)。彼は、幸福度というのもは、現在の状態だけではなく、未来への展望(未来に明るい出来事が待っているのか、将来の不安が少ないか)といった期待感が、現在の幸福度を左右すると主張します。
・就業状態
・所得
お金の正しい使い方
・家族のため
・健康のため
・成長のため
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