・お金を借りたいなら銀行
・お金を増やしたいなら証券会社
を利用するという鉄則だ。
銀行でのNISA口座開設の是非
2013年末をもって現在適用されている証券優遇税制が廃止されるのに伴い、2014年からは少額投資非課税制度(NISA)がスタートします。これは、優遇税制が廃止され、証券市場から投資資金が流出するのを防ぐとともに、従来から謳われている「貯蓄から投資へ」の流れを一層確かなものにすることを目的として制度化されたものです。ここでNISAとは、株式や投資信託(元本が年間120万円まで)の売却益や配当金・分配金が、5年間にわたって非課税となる制度のことで、有効に活用することができれば、大きなメリットがあるといえます。
それでは、NISA口座はどこで開設するのがよいのでしょうか。NISA口座の開設は、銀行や証券会社、一部の生命保険会社等で行うことができます。しかし、開設する金融機関によって取引できる金融商品は異なってきます。具体的には、株式やETF(上場投資信託)、ETN(上場投資証券)、REIT(不動産投資信託)の購入は、銀行等ではできず、証券会社でしかできません。そのうえ、銀行等でも取引できる投資信託であっても、取り扱っている本数は証券会社の方が多く、また購入時に要する手数料が無料の投資信託(ノーロード投資信託)の本数も一般的に証券会社の方が多いです。とくに、インターネット証券会社ではノーロード投資信託の本数が非常に多くなっています。また、投資初心者にとっての入門的金融商品に、指数連動型の投資信託が挙げられることが多いですが、これについても、銀行等で購入できる投資信託よりも、同じ内容のETFの方が運用手数料(信託報酬)が格段に低くなっています。以上より、NISA口座の開設は、投資対象の幅が広く、手数料も低く抑えることができる証券会社で行うのが最善といえます。
投資初心者の方はメインバンクでのNISA口座開設もあり
もっとも、投資初心者の方の中には、これまで証券会社と取引がない(証券会社の口座を保有していない)、あるいは、株式はリスクが大きく、ETFやETNについてはよく分からないと感じておられる方も多くいらっしゃるでしょう。そのような方にとっては、証券会社で口座開設をしたうえで、NISA口座まで開設するというのは、手間がかかり面倒だと感じられるかもしれません。そのような場合には、証券会社でNISA口座を開設した方が有利ではあるものの、自らのメインバンクでNISA口座を開設し、年間120万円までを投資信託で運用するという選択肢も十分あると思います。
投資は無理にするものではなく、自分で理解できる範囲で行うことが重要ですし、銀行等でNISA口座を開設したとしても、非課税の恩恵を受けること自体は証券会社で開設した場合となんら相違はないからです。ただし、銀行等でNISA口座を開設する場合には、開設する銀行等の選択には注意を要します(証券会社で開設する場合についても同じことが言えますが、銀行の場合はとくに注意が必要です。)。証券会社であれば、従来より(NISA制度が検討される前から)投資信託は多数取り扱っていますし、ノーロード投資信託も充実しています。一方、銀行等に関しては、従来より投資信託の取り扱いはありますが、本数が非常に少なく、NISA開始に向けて徐々に本数を増やし始めている段階です。そのため、証券会社であれば自分の投資方針に合った投資信託が存在しても、銀行等には存在しないということが想定されます。したがって、銀行等でNISA口座を開設する場合には、複数の銀行等を調査して、投資信託の本数やノーロード投資信託の本数、そして自分が投資したいと思う投資信託が存在するかを十分確認するようにして頂きたいと思います。
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